一男三女物語
「う……んとお金はあります。」

「はぁ?そのままですか?」

「通帳も印鑑もあります。」

「宝石類はなくなっていませんかね?」

「もともとありませんから。」

「結局なんにも盗られてないですか?」

「はい!今のところ何も盗られてないんです。」

刑事は頭を傾けた。

「ただいま!」

そこへ早紀が帰ってきた。

「何これ〜?私の勝負下着は無事?」

結局なくなっている物がない。

「おかしいですね?」

若い刑事は考え込んだ。

「一応指紋を採取して帰ります。それで犯人と区別するために家族全員の指紋を採取しますが?」

若い刑事はそう言って鑑識を呼んだ。

それを見ていた早紀は若い刑事に目がハートマークになったまま動かない。

「早紀!何、ボーとしてるの指紋とるよ!」

早紀はまだ若い刑事を見たまま動かない。

「刑事さん?名前何て言うんですか?」

いきなり早紀が聞いた。

「さっきお姉さんに名刺渡しておきましたから」

そう言うとしばらく家の中をうろうろしていた。

「家族は何人ですか?」

「あと一人妹がいるんですがまだ帰って来ないんですよ?あと親が海外出張で」
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