一男三女物語
父五郎が帰ってくる当日になり四人は久しぶりの親との対面を楽しみにしていた。

夜には家に帰れるだろうと五郎から真紀の携帯に連絡が入っていた。真紀は腕によりをかけて食事の準備をした。

「パパ遅いね〜お腹空いたよ！」

８時をすぎ宗一郎も限界にきていた。

「早紀！バパの携帯に電話かけてみて！」

真紀も苛立ちを隠せないでいた。

〈お客さまのおかけになった電話番号は電源を切られているか、電波……〉

「真紀姉ちゃん！パパの携帯つながらないよ！」

「しょうがないわね！先に食べよう！そのうち帰ってくるでしょう？」

真紀も待ちきれなく先に食べることにした。

「亜紀！どうしたの？食べないの？」

亜紀だけが何か考え込んでいる。

「この間の空巣のことなんだけど…」

亜紀が口を開いた。

「もう、忘れましょう！何も盗られてないし！」

四人は一斉に食べ始めた。
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表紙・目次

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