一男三女物語
早紀が帰り着くと後の三人は既に帰宅していた。家の前には田辺ともう一人の刑事が車の中から四人を見守った。

「早紀!遅かったね?」

真紀が話かけても早紀は聞こえていない。

「早紀?どうしたの?熱でもあるの?早紀!」

真紀がそう言って早紀のおでこに手をやろうとした…

「触らないで!」

「はぁ?どうしたの?」

「私、おでこはしばらく洗わないから」

「はぁ?何それ?」

「早紀?やっぱり変よ!夕ご飯たべたらすぐ休みなさい。」

「ううん…大丈夫!本当の愛を見つけただけだから」

三人は、付き合いきれないと言う表情で早紀を見た。

その時電話が鳴った……

「もしもし……私よ〜今、成田に着いたから今から帰るわ」

「ママ〜どうしたの連絡もしないで?」

「家に帰ったら全部話すから」

そう言って電話を切った。

「今からママが帰ってくるんだって!今、成田空港だって!」

「よかった〜」

みんな一斉に叫んだ。

< 37 / 88 >

この作品をシェア

pagetop