一男三女物語
一時間ぐらいして母祥子は帰ってきた。

「ただいま!」

「おかえり〜」

宗一郎は大喜びで祥子を迎えた。

「そうちゃん!しばらく見ないうちにまた、大きくなったわね〜」

「ママ!いったい何があったの?」

「みんな!ちょっと聞いて!五郎ちゃんは、日本にいる時、松川勝利大臣の記事を書こうとしてたの!松川大臣の秘密を知ってしまったと言ってたわ!その証拠を日本の自宅に置いてきたから……そう言ってたの」

「やっぱり!そうなんだ!」

亜紀の推理は的中した。

「たぶん、五郎ちゃんは松川大臣の手の者に拉致されてると思うのよ?相手はその証拠を欲しがっているわ」

「パパは、大丈夫かな?」

真紀が泣きそうな顔をして言った。

「大丈夫よ!宗一郎を誘拐しようとしたってことは、まだ、パパは口を割ってないってことよ!それにまだ証拠はこの家の中にあるってことよ」

と亜紀が推理した。

「さすが亜紀ね!頭の回転早いね!」

「そう言うことよ!」

祥子は四人の顔を一人ずつ見た。

「そこで、その証拠を探し出して相手と取引しようと思うのよ!」

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