一男三女物語
「お姉ちゃん遅いよ!お腹空いて死にそうだよ!」

弟の宗一郎が言った。

「じゃ、ご飯できるまで死んでなさい!」

真紀はそう言うと冷蔵庫を開けて買い物してきた物をしまった。

「ただいま!」

そこに妹の亜紀が帰ってきた。

「お姉ぇちゃん今夜の夕ご飯何?」

「亜紀!ちょっと手伝って!」

「わかったよ!着替えてくるね!」

そう言って自分の部屋へ向かった。

真紀は忙しそうに夕食の準備を始めた。

「宗一郎!洗濯物たたんでくれない!」

「今、死んでる」

そう言って宗一郎はテレビゲームをしている。

「もう!男は使い物にならないんだから!」

宗一郎は小学六年生、三女亜紀は中学ニ年生、長女真紀は大学ニ年生。そしてもう一人次女高二の早紀がいるのだが、まだ帰って来ない。親は結婚当時、子供は二人しか作らない予定だったらしいが、どうしても男の子が欲しいと言って宗一郎が生まれた」

「早紀は遅いわね〜?」

真紀が心配気に言った。

「どうせまた、男でしょう?」

亜紀があきれ気に言った。

「早紀姉ちゃんまた、彼氏できたの?」

宗一郎があきらめ気に言った。
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