一男三女物語
「はい!そうですが、どちら様でしょうか?」

祥子は、松川勝利の手の者だとすぐ察し、田辺に聞かれてはまずいと思い部屋を出た。

「奥さん!旦那から何か預かっているだろう?」

「はぁ?なんのことでしょうか?」

「とぼけてもわかっているんだよ!旦那がどうなってもいいのかい?」

「主人は無事なんですね?」

「今のところはな!しかしあんたの出方しだいでは、東京湾にコンクリート詰めで沈んでもらうことになるぜ」

「どうすればいいんです?」

「取引しようぜ!あんたの持っているCDと交換ってことだよ」

「CD?わかったわ!」

「よし!さすが新聞記者のかみさんだ!話しが早いなぁ!それから警察には絶対喋るな!ちょっとでも警察が動いたら旦那は、どうなるかわかっているな!今、表にいる警察も帰ってもらいなぁ」

「わかったわ!」

「じゃ取引の時間と場所はまた、連絡する」

そう言って携帯はきれた。
< 44 / 88 >

この作品をシェア

pagetop