一男三女物語
そして、しばらくして裏の勝手口から田辺と別に二人の刑事が入ってきた。

「すみません!CDはありましたか?」

田辺が祥子に聞いてみた。

「いいえ!見つかりません!」

「そうですか!すみませんが、みなさん集まってもらっていいですか?」

「はい!そうちゃん!お姉ちゃんたちにリビングに集まるように言って!」

「わかった!」

宗一郎は別の部屋でCDを探している三人の姉を呼びに行った。

しばらくしてみんなが揃うと田辺が話しだした。

「みなさん!よく聞いてください。これは誘拐事件です。お父さまの安全が確保できるまで非公開で捜査します。ただ、犯人のめぼしはついてますが、下手に動くとお父さまの命に関わります。今、一番優先するのはお父さまを救出することです。」

「わかりました。」

「今、松川勝利大臣とその関係者に刑事が密かに配置されています。これは、日本を動かす大事件に発展する可能性がありますので慎重にお願いします。」

田辺が話し終わると誘拐犯専門の刑事が話しだした。
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