一男三女物語
「親がいてくれたらねぇ?」

三ヶ月前父親がニューヨーク支社に転勤になった。当然、四人は父親が単身赴任で行くものだと思っていた。

「私、五郎ちゃん(父)と離れて暮らせない〜ニューヨークで暮らすの夢だったし、真紀、後は頼んだよ、!」

と母の祥子は母親を放棄してニューヨークへ行ってしまったのである。

「真紀姉ちゃん!ママからメールきてるよ!」

亜紀がパソコンを見て言った。

《四人とも元気?私もパパもとっても元気よ!何かあったらすぐ連絡ちょうだい。正月は帰るからね〜》

「亜紀!一生帰って来るな!金だけは忘れず振込めって返信して!」

真紀はそう言うと…

「そうだ!明日、車の合鍵作ろう。」

そう言って自分の部屋へ入って行った。
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