一男三女物語

五郎は家に帰ると家族全員を集めて話しを始めた。その中に谷崎の姿もあった。

「明日、またニュヨークに帰ることにした。もちろんかぁさんも一緒だ。」

「えぇ…もう帰っちゃうの？」

真紀が不満そうに言った。

「そうだ！もうしばらく四人で力を合わせて頑張ってくれ！」

「もう、松川大臣は何もしてこないかな？」

早紀が心配そうに聞いた。

「それは、たぶん大丈夫よ」

亜紀が自身気に喋りだした。

「どうしてそんなことが言えるのよ？」

「早紀姉ちゃん！今日の新聞読んだ？」

「読んだわよ！番組欄と三面記事だけね！」

「松川大臣は別の献金問題で野党議員に攻められて大変なことになってるのよ！大臣の座も危ないわ」

「ふぅ〜ん？よく解らないけど」

「今のところ知らない、記憶にないで通してるけど時間のもんだいよ！」

亜紀の言ったとおり三ヶ月後松川勝利大臣は、国会の証人喚問で野党側から総攻撃を受けて耐えられず、自ら命を絶つことになる。