ちょっと涼しくなる話…③
―トンネルの中の住人達―



ある夏のお盆休みでの出来事です!





夏休みが取れて新潟まで遊びに行っきました。





高速は予想通りの渋滞だったので、下道に迂回した所…





下道も大渋滞でした。





新潟に着いたのは、午後9時を回ってました。





星空が綺麗だったので、近くのダムまで行って、天体観測してから宿泊先に行こうと思い、車を走らせました。






途中トンネルが2ヶ所有り、長い方のトンネルの手前まで来ると、微かに何かを感じ始めました。





トンネルへ入ると直ぐに、競輪選手の様な格好をした若者が、進行方向を同じくしてこちらを右肩越しにみていました。





こんな時間にこんな場所に居るのも、余り一般的ではないし、現実に、目に見えてる訳では無いことに直ぐに気がつき、言葉を飲み込みました。





折角星空を楽しみにしている他のメンバーの気分を害するのではと考えたからです。





やがて、出口付近に来ると、今度は工事姿のおじさんが立っていました。





もちろん一人で工事をしている訳も無く。





やはり目に見えてるのでは無く、意識の中に入り込んで来たのです!





トンネルを抜けて少し走ると、ちょっとした駐車場の様な所に出たので、そこに車を停めようとしたその時!





目の前に大きな石碑が…





次の瞬間。体中が寒気立ちました。





石碑は、トンネル工事中の事故で亡くなった方の慰霊碑でした。





次の瞬間!意識の中に『我々の聖地を汚すな!』と言うメッセージを感じました。





そのまま引き返す事にして、再びトンネルに…






先程競輪選手のような姿の若者が立っていた場所に差し掛かると、ガードレールの柱の所に花束が手向けられてありました。





冥福を祈りつつ、宿への道を急ぎました。














< 1 / 1 >

ひとこと感想を投票しよう!

あなたはこの作品を・・・

と評価しました。
すべての感想数:0

この作品の感想を3つまで選択できます。

この作家の他の作品

僕の夏休み(メガネっ子のいた夏…)
Mint blue/著

総文字数/3,047

その他8ページ

表紙を見る
いただきます(^O^)
Mint blue/著

総文字数/315

詩・短歌・俳句・川柳1ページ

表紙を見る
もう涙はいらない
Mint blue/著

総文字数/1

恋愛(純愛)1ページ

表紙を見る

この作品を見ている人にオススメ

読み込み中…

この作品をシェア

pagetop