恋の決心★
「ごめん……

本当にごめん!

気持ちに、応えることはできない」

 思い当たる節があるのか、必死に巧は謝る。


「いいんです。

どうしようもない気持ちを、どうにかしたくて、瞳さんに近づいたんです。


二人を別れさせたくて。

でも…そんなことじゃ、巧さんが振り向くわけない、ってわかってたんですけど…

デートしてる時も…わざと電話して…邪魔してみたりして…

でも…無駄でしたね」

 武君は最後の方は、絞り出すように声を出し、涙をこらえながら走り去った。
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