子羊ちゃんのユウウツ

申し訳ないなぁって思いながらも、

キャラメルポップコーンをおいしくいただいて、映画も楽しんだ。



「それじゃ、ありがとう」


思いがけず楽しい一日になって上機嫌のあたしは、

家まで送ってくれたりゅーじくんに笑顔でお礼を言った。



「ああ…」


りゅーじくんは言いにくそうに言葉を探す。



どうしたんだろうと首を傾げた時、

りゅーじくんは口を開いた。



「俺、夏休みも部活が多くてさ、会えるかわからないんだ」


「…あ、そうなんだ」



なんてことないように返す。


でも、

なんだろ。




…胸に、


ぽっかりと穴が開いた気がした。


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