子羊ちゃんのユウウツ
「え?」
「…俺の勘違いだったんだろ? カッコわりぃ」
その言葉が、あの言葉をさしてるってすぐに気づいた。
『いつも俺のこと見てただろ?』
「ち、違うの…!」
慌てて否定したけど、
その言葉はりゅーじくんには届かない。
「もう、無理しなくていいよ」
りゅーじくんは薄ら笑いを浮かべ、
グラウンドの真ん中へと歩いて行った。
あたしはただ、
その背中を見てることしかできなかった――。
どうして
こんなことになってしまったんだろう?
試合の間中、ぐるぐると考えていた。