子羊ちゃんのユウウツ
このまま放置していれば、
自然消滅ってヤツになるのかもしれない。
でも、そんなのは嫌だった。
自分の気持ちに気づく前なら、
むしろ喜んだかもしれない展開。
でも、今はそんな風には考えられない。
あたしは手を握りしめた。
「今さら、りゅーじくんが信じてくれるかわからないけど、自分の気持ちをちゃんと伝える」
「そっか…。がんばってね」
明日香ちゃんの言葉に、
あたしはなんとか微笑みを浮かべた。
★
練習試合はりゅーじくんたちの勝利で終わった。
片づけを終え、ようやく部員たちが散らばろうとしている。
あたしは意を決して、
りゅーじくんに近づいた。
「りゅ、りゅーじくん」