子羊ちゃんのユウウツ
☆ りゅーじの愛情
どこか遠くから、
歌が聞こえる。
もやがかかったようにボヤけた頭では、
何も考えることはできなくて。
子守歌に乗って漂うように、
ふわふわと聴き入っていた。
突然、プツンと音が途切れる。
そのとたん、
体が重く沈む。
その時、
再び歌が流れ出した。
これ…ケータイ?
ようやく少しだけ動き出した頭。
手は枕元においたケータイを取り、通話ボタンを押していた。
「はい…もひもひ…」
呂律の回らない声が出る。
『俺』