しちがつなのか
きのうとあしたのあいだで
空を見上げて、あたしは人を待っている。
あたしの上には、お互いがお互いを照らし合うかのように輝いている星たちが、闇色の空を埋め尽くしている。
ふと、疑問に思う。
あの星たちは、いつまで輝き続けるのだろうか、と。
ガチャリ
屋上の戸が開き、足音が近づいてくる。
聞きなれた足音は、あたしのすこし後ろで止まった。
あたしは星を見つめたまま、その人に話しかけた。
『星はさ、どーして輝いてると思う?』
『……星は、知っているんだ……孤独を』
久しぶりに聞いたその人の声が心地よくて、何度か自分の中で反芻させた。
そして、小さく笑って言った。
『……そっか、そうしたら、さみしくなくなるね』
『簪、返しに来た』
『それがどーゆー意味かわかってんの?』
『わかってる』
『じゃあ、あたしが一緒に死んでって言っても、いいよって言えるんだ?』