しちがつなのか
『その為の約束だろ?』
振り返り、見上げた瞳には、揺らぐことのない決意が浮かんでいた。
『由羅がどんな望みを言おうが、俺はそれを叶えるさ』
その言葉に、あたしは瞳を閉じた。
わかってた。
目の前の人が、あたしが何を言おうが、叶えようとしてくれることに。
わかってた。
目の前の人が、『ノー』と絶対に言わないことを。
わかっていて、願いを口にするなんて、狡いと思う。
でも、これはあの日の約束だから。
賭の結果だから。
今日が晴れてしまったから。
だから、どうかあたしの我が儘を許してほしい。
目を閉じている間の数秒間は、あたしに与えられた最後の執行猶予だね。
今までのすべてを、早送りで思い描く。
いまだに、吹っ切れないい心の引っかかりを振り切るため、目を開けた。