しちがつなのか

『……ごめんなさい』

あたしは目の前の人に抱きついて、愛しい人の名を呼んだ。




そばにいたいだけ。




体温も、匂いも、とても懐かしくて、とても優しい。




目の前の人がそっとあたしの名を呼んだ。

『由羅』

その声は、ひどく優しく響いた。








チクタクチクタク……






音は止まってしまった。
もう二度と動かない……





『もしもひとつだけ、なんでも願いが叶うなら、なにを願う?』
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