しちがつなのか

ドキドキドキ…
膝が震えてる。
自分の心臓がうるさい。

ドキドキドキドキ…
うまく息を吸えない。
腕も肩も震えてる。

ドキドキドキドキドキ…
体が思うように、動かせない。
足なんて1ミリも動かせない。

こんなんじゃ、……こんなんじゃダメなのに。

カチンコチンになった体を叱咤する。
覚えたはずの台詞を思い出そうとするが、うまくいかない。
思い出そうとすればするほど、頭の中は真っ白になっていく。

生徒たちの声や雑音が聞こえてくる。
ひとりやふたりなんかじゃない。全校生徒がすぐそばで、待っているのだ。

きっとあたしは、失敗しちゃう!!きっとじゃない……絶対に失敗する!!

目をぎゅっと閉じて、震える体を自分の腕で抱きしめる。でも、なんの効果もない。

やっぱり無理だよ……。
絶対に無理っ!!

思い浮かぶのは、悪いイメージばかり。失敗して、笑われて、仲間に迷惑かけて……。

怖い。怖い。怖い。

「由羅?」

「!!!??」

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