向日葵《短編》
俺は自分を落ち着かせ、唯の教室へと足を運ばせる。
教室に着くと、すぐに唯が見つかる。
友達と楽しそうに会話をしている唯の姿が─…
『唯!』
俺は廊下から唯に向かって名前を呼んだ。
唯はこちらに気づき、友達になにかを言って、俺の方に向かってきた。
『どうしたの?葵。』
『ちょっと話せるか?聞きたいことがあるんだ』
『うん、いいよ』
俺は人気がない場所に唯を連れてきた。
廊下のずっと奥にある踊場だ。
不気味なくらい静かで、俺の緊張が増していく。
『なぁ、唯?お前好きなやついないって言ってたよな?』
俺は再確認をした。
もしこの前言っていたことが嘘だったなら、俺はぶっ倒れるだろう。
『ん?いないよ?』
この言葉を聞いた瞬間、肩の力が抜けていく感じがした。