向日葵《短編》
あと少し、あと…少し…なのに、言えない自分。
情けない自分が道端の中央に立っている。
『俺…おま…』
『あー!分かった!またシュート出来なかったんでしょ!』
『は?』
俺が言おうとした瞬間、唯がいきなり割り込んできて、くだらねぇことを言ってきた。
俺は目を丸くして唯を見る。
唯は怪しく笑いながら俺の背中をバシバシと叩いてきた。
『頑張りなよ、美少年くん!』
こう言って、スキップをしながら俺を抜かしていく。
本当にお前は鈍感だな。
ていうか、美少年って何だよ?
『美少年って何?俺美少年じゃねぇし』
すると唯が歩くのをやめ、くるりと俺の方を向いた。
『ねぇ葵…こんなこと言ったら怒ると思うけどね?』
『なに?』
唯のサラサラで艶やかな髪の毛が街灯で余計に綺麗にさせる。