向日葵《短編》
雷が嫌いという理由も分かるが、それ以外になにかあるはずだ。
だけど、唯は何も話してはくれなかった。
幼なじみの俺にさえ…
でも、唯はあいつだけには話したみたいだ。
そう、あいつ。
俺は昨日精神的ダメージを喰らった体を無理矢理動かし、学校へ行く準備をした。
一階へ行くと、洗面所で茜と一緒になり、茜にぽんぽん、と二回肩を叩かれた。
『頑張って』って言っているんだろ?
『お前うぜーよ、早くどけっ』
俺は洗面所から茜を追い出し、髪の毛を整えた。
『あぁ、今日は雨だから眼鏡にしよう』と思い、黒い縁の眼鏡をかけた。
昨日唯が言ってたな。
美少年だって。
どこがだよ。
ありえねぇから。
俺は鼻で笑い、洗面所を後にした。