向日葵《短編》
あの日のことを…
君と出会った日のことを──…



『葵!ちょっと早く起きて!!』



俺が小学校一年生のときだった。


朝早くから家中が慌ただしかったのを今でも覚えている。


母さんが俺の布団を捲り上げ、体を揺さぶった。


『なぁに?お母さん?』


俺はその時流行っていたヒーローのパジャマに身を包み、目を擦りながら母さんを見上げた。



『葵、早く起きて?』



こう言いながら母さんは布団を畳んでいた。



俺は邪魔になると思い、立ち上がり、隅の方で母さんが畳み終わるのを待っていた。



『なんでぇ?』



すると母さんは目線を俺に合わせて笑顔を見せた。



『隣の家に新しい人が来るんですって!挨拶しなきゃね』



『ふ~ん』



当時の俺は、隣に誰がくるとか、そんなことには興味がなかった。



でも、俺は出会ってしまったんだ…



キミに……
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