向日葵《短編》
雲が俺の心まで暗くしていく。
食い止めることが…出来ないでいた。
輔はこんな俺に嫌気がさしたのか、俺の傍から離れていった。
輔は俺にとって大事な友達だし、信頼をしている。
きっと俺の気持ちを読み取ったのだろう。
さんきゅ、輔。
『葵ー?』
すると、廊下から俺の名を呼ぶ声が聞こえた。
愛しいキミの声…
俺は急いで視線を空から廊下に移す。
そこには笑顔のキミと、もう一人の女の子の姿があった。
緊張した面持ちで立っているのはあの子。
麻由という女の子。
俺は仕方なく唯の方に向かった。
『おう、何?』
『葵、この子が麻由だよ!仲良くしてあげてね』
俺は唯から麻由へと視線をずらした。
麻由は相変わらず、下を向いて顔を真っ赤にしていた。
『俺、葵。よろしくな』
一応、挨拶をしておいた。
ていうか、なんだよ?
この三角形は。