向日葵《短編》
俺はしょうがなく、麻由に右手を差し出した。
麻由も少々焦っていたが、俺と異なった、左手を出し、握手をした。
麻由の温もりが伝わってくる。
じわじわと熱い温もりが…
『これで葵と麻由は友達ね!』
『友達になったのはいいけど、どうすればいいんだよ?』
『休み時間中、お喋りとか!』
唯は笑顔でまためんどくさいことを提案した。
俺は『は?』というような目で唯を見つめる。
『麻由も葵と話がしたいって言ってたしさ!じゃあ、まずは今日の帰りにお喋りしなよ!』
……だから、勝手に話を進めんな!!!
って口が裂けても言えやしない。
俺は『わかった』と一言呟いて教室に戻って行った。
『放課後、終わった迎えに来てよね!』
唯は楽しそうにこう言って、俺の教室から姿を消した。