向日葵《短編》
母さんは鼻歌を歌いながら子供部屋から出て行った。


俺は興味がなかったので、カーテンを開け、踏み台を使い、ベランダから外を眺めた。



俺が育った街は窮屈なぐらい住宅が並んでいる街だった。


でもこんな街が好きだった。


だって太陽は必ず俺の街も照らしてくれるから。


…暫く、こんな街を見ていると一台の大型トラックが隣の家の前で止まった。


俺は少しベランダの手摺りから身を乗り出し、そのトラックを覗いた。




するとトラックの後ろに、白い大型車が止まった。




『どんなやつかな?』



一応見ておくか。
あまり期待などしていなかった。


どうせ仲良くなれるはずなんかないからさ。



白い大型車から降りてきたのは、男性1名、女性一名…そして…




キミが降りてきた──…
< 4 / 71 >

この作品をシェア

pagetop