向日葵《短編》
さっきからそんなことばかり考えてしまう。
地面に溜まった水たまりを、俺は少し汚れたスニーカーで踏んづける。
唯は傘をぎゅっと握りしめ、下を向いて歩いていく。
何故雨が嫌いなのだろう?
俺は空を見上げて、ガンを飛ばした。
雨なんか降らなくていい。
…やっとの思いで、唯の家に到着をした。
唯は『バイバイ』と小さな声で言って、家の中に入って行った。
聞きたかった、
キミが雨嫌いな理由。
俺は唯が見えなくなるまで唯を見つめていた。
そしてドアが閉まると同時に、足を進め、自分の家へと入っていく。
『ただいま』
『あっおかえり~』
玄関で靴を脱いでいると、後ろから茜の声が聞こえた。
茜は携帯をいじりながら突っ立っていた。
俺は『邪魔』と言って茜を押す。
『ね!唯ちゃんとなんかあった!?』