向日葵《短編》
茜の言っている意味がいまいちわからないでいた。
『は?』
俺は近くにあったスエットに身を包む。
『小さい頃に出会った子が忘れられないって…こう言って四つ葉のクローバーのキーホルダーを見つめてたよ』
茜の言葉を聞いて俺は何かを思い出す。
それは…ずっと昔のこと…
俺と唯が小学生のときだった。
『な、唯。お前いっつも何持ってんの?』
唯はいつもあるモノを持っていた。
それは四つ葉のクローバーが埋め込まれている、キーホルダーだった。
『可愛いでしょ!あたしの宝物なんだぁ!』
こう言って俺に自慢気そうにキーホルダーを見せてきた。
『いいなー、俺にも頂戴!!』
『だーめ!もうあげちゃったもん!』
『誰にあげたんだよ?』
唯はにこっと笑って空に両手を広げた。
『鳥になりたい子!』