向日葵《短編》

ベッドに寝転び、天井を見上げる。


『あーもう!!』



外はまだ雨が降っている。
唯は今なにをしているのだろうか?



ふと、今日の出来事が蘇る。


中村先輩と唯のあの光景…


忘れたくても、しっかりと目に焼き付いていて、鮮明に思い出される。


負けかな、もう…



『鳥になりたい子…』



それともう一つ。
唯が昔出会った子のこと。


誰なんだ?



『あー!うぜぇ!!』



考えても答えは出ない。
考えれば考えるほど、唯を愛しいと思う。


でも、俺はどこかで諦めている部分があったんだ。


唯に気持ちが届かないんじゃないかなって…



俺は唯への気持ちを無理矢理消そうとした。


唯を、誰かに被らせようとしたんだ…



雨は更に勢いを増し、地上を濡らしていく。


どしゃ降りの雨は、
俺の心の中と一緒で、


一向に止むことはなかった…



< 45 / 71 >

この作品をシェア

pagetop