向日葵《短編》
ベッドに寝転び、天井を見上げる。
『あーもう!!』
外はまだ雨が降っている。
唯は今なにをしているのだろうか?
ふと、今日の出来事が蘇る。
中村先輩と唯のあの光景…
忘れたくても、しっかりと目に焼き付いていて、鮮明に思い出される。
負けかな、もう…
『鳥になりたい子…』
それともう一つ。
唯が昔出会った子のこと。
誰なんだ?
『あー!うぜぇ!!』
考えても答えは出ない。
考えれば考えるほど、唯を愛しいと思う。
でも、俺はどこかで諦めている部分があったんだ。
唯に気持ちが届かないんじゃないかなって…
俺は唯への気持ちを無理矢理消そうとした。
唯を、誰かに被らせようとしたんだ…
雨は更に勢いを増し、地上を濡らしていく。
どしゃ降りの雨は、
俺の心の中と一緒で、
一向に止むことはなかった…