向日葵《短編》
~3.消えない想い~


朝目が覚めると、全てにやる気がしなかった。

学校へ行くのも、唯に会うのも…なにもかもしたくなかった。
脱力感は延長線を辿っている。


俺が出した答えは、
唯を忘れること。


これは俺にとって、いいことに違いないから。

唯は、俺を見てくれないから─…



この日を境に、俺は唯を避けていったんだ。


─…梅雨の時期は終わり、もう夏本番だ。
蝉がうるさい声を出し、俺をイライラさせた。

唯とは一緒に学校に来ていない。
『朝練があるから』と言って、俺は早く学校に行くことにしているから。

朝練なんて、嘘に決まっている。


俺と唯が仲良くしているところを中村先輩に見られたりしたら、中村先輩は悲しむだろう。

彼女を送り迎えするのは彼氏の役目。


中村先輩と唯は付き合っているのだと、思っていた─…



< 46 / 71 >

この作品をシェア

pagetop