向日葵《短編》
~3.消えない想い~
朝目が覚めると、全てにやる気がしなかった。
学校へ行くのも、唯に会うのも…なにもかもしたくなかった。
脱力感は延長線を辿っている。
俺が出した答えは、
唯を忘れること。
これは俺にとって、いいことに違いないから。
唯は、俺を見てくれないから─…
この日を境に、俺は唯を避けていったんだ。
─…梅雨の時期は終わり、もう夏本番だ。
蝉がうるさい声を出し、俺をイライラさせた。
唯とは一緒に学校に来ていない。
『朝練があるから』と言って、俺は早く学校に行くことにしているから。
朝練なんて、嘘に決まっている。
俺と唯が仲良くしているところを中村先輩に見られたりしたら、中村先輩は悲しむだろう。
彼女を送り迎えするのは彼氏の役目。
中村先輩と唯は付き合っているのだと、思っていた─…