向日葵《短編》
学校に着くと、まだ誰も来ていない。
それもそうだろう。
時計の針は、集まる時間より30分も前を指していたから。
俺は席にカバンを置き、学校をぶらぶらと歩き回る。
必ずといって、唯のクラスを通ると俺は立ち止まってしまう。
そして唯の席を探してしまうんだ…
これって、まだ忘れていないっていう証拠かな?
俺は寂しそうな瞳をして、唯のクラスから離れていく。
屋上へと行って、空を見上げるのが毎日の日課。
『最近雨…降らないな…』
今日の空は快晴に近い空だった。
青い空に沢山の白い雲が一面に広がっている。
フェンスに手をかけ、俺は自分の街を見下ろす。
『唯…』
また唯の名前を呼んでしまった。
…あと何回唯の名前を呼べば、唯を忘れることができるのかな?
誰か、教えてよ─…