向日葵《短編》


唯は人一倍可愛くて、
唯は人一倍優しくて、

唯は人一倍鈍感で…


キミは今の恋に夢中なの?



『…バカみてぇ…』


唯は屋上にいる俺の姿になんか気付くはずもなく、先輩と昇降口に入って行った。



俺は自分のバカさを痛感したのか、鼻で笑い、屋上をあとにした。



もう泣かない。
キミのために涙なんか流さない。


バカな俺が強く決心したことだった。



『よっ!葵!!』



すると後ろから誰かの声が聞こえた。
俺は後ろを振り返る。
そこには顔に絆創膏を貼った、輔の姿があった。
輔の顔を見た途端、俺は吹き出してしまう。


『なんだそれ、その絆創膏!』



絆創膏を指差しながら笑う俺。
だって、その絆創膏がキャラクターの絵がついた絆創膏だったからさ。
もっとマシなやつなかったのかよ?




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