向日葵《短編》
あなたは唯の彼氏でしょう?
関係ない俺に聞かないでよ。
聞かれると、イラつくからさ。
俺は思い切り輔に向かってボールを蹴り、先輩を睨みつけた。
『俺に聞かないでください』
素っ気ない態度を見せて、俺はグラウンドから立ち去って行った。
唇を噛み締めて、苛立ちを抑える。
なんで?なんで?なんで?
頭の中はこればかり。
唯を忘れたいのに、
先輩と関わりたくないのに、どうしてこうなるの?
俺は髪の毛を掻き上げ、学校の中に入って行った。
そして三階にある美術室を目指す。
三階の一番奥に、美術室はある。
なぜこんな場所にくるのか不思議に思うだろ?
美術室には、麻由がいるんだ。
麻由は美術部だからさ。
麻由と話せば気が紛れるんじゃないかって…
俺はまだまだ子供すぎた。