向日葵《短編》
俺はパジャマを脱ぎ捨て、洋服に身を包むと、勢いよく子供部屋を飛び出した。
五月蝿い音を出して階段を駆け下りていく。
『お母さん!隣の人が来たよ!』
俺は興奮を露わにし、トーストにバターを塗っている母さんを見上げた。
母さんは俺の方に視線を向ける。
『隣のお嬢さん、葵と同じ小学校一年生なんですって。葵、仲良くしてあげてね?』
母さんの言葉を聞いた俺は、ぴょんぴょんと、まるでウサギのように跳ねて喜んだ。
『茜も仲良くする~』
リビングのソファーでは茜が父さんに髪の毛を結ってもらっていた。
俺は喜びが隠しきれなかったのか、朝食を後回しにし、玄関に向かった。
急いで靴に履き替え、全力疾走で隣の家まで走る。
丁度そこには、キミがいた─…
下を向いて、憂鬱そうな表情を浮かべる…キミが──…