向日葵《短編》
~終.向日葵~
静かな美術室に時計の針の音が加わる。
ついでに、俺の心臓の音も─…
俺は生唾を飲み込み、麻由をずっと見つめていた。
部活をやっている生徒達の叫ぶ声が聞こえてくる。
『…俺…』
麻由は下を向いて俺の返事を待ってくれているようだ。
ちゃんと言ってくれたのだから、俺もちゃんと言わなきゃな。
俺から零れ落ちた言葉は、麻由の目から涙が落ちるような言葉だった。
『…ごめん…俺…』
麻由の顔が見れなくなり、俺は視線を足元に落とした。
俺から零れ落ちた言葉は、自分の気持ちに嘘がつけない言葉でした。
まだ、俺の中には唯がいたんだ…
笑顔の唯が、
大好きな唯が…
俺の心の中で輝いているんだ…
麻由…ごめん。
謝っても、謝っても、謝り足りないよ。
麻由は俺の目の前で涙を一粒流した。