向日葵《短編》
麻由に告白されて、改めて自分の気持ちを実感した。
俺はまだ唯が好き。
でもね、この想いは、
一生言えないんだ。
グラウンドに戻ると輔が勢いよくこちらに向かって走ってきた。
『葵!どこに行ってたんだよ!もう部活終わるぞ?』
『さっき、麻由に告白された…』
俺はボソッと小声で言うと、輔は驚いた表情で俺を見てきた。
目はまん丸く、口が薄く開いている。
本当にバカな顔だな。
『まっじで?そっそれで葵は?』
『…断ったよ…』
俺の発言を聞いた輔は更に目を丸くし、おかしなリアクションをしていた。
『うえ?まじ?なんでなんで??』
『さーな』
輔の質問にはぐらかす俺。
空を見上げると、夏の星座がキラキラと輝いていた。
そして最後の挨拶をし、部室へと行き、帰る支度をする。