向日葵《短編》


俺はその場から立ち去り、全力疾走で家を目指した。
そして家に着くとすぐに部屋に閉じこもり、枕をびしょびしょにした。


これで少しは気づいてくれたかな?
俺の気持ち…


気づいてくれなくていいや…
もう…いいや…


泣き疲れたのか、俺は深い眠りについた。


この日からまた唯との関係が悪くなったんだ。

お互い目も合わさない、口も聞かない、
ただの他人に変わっていった──…



──…時は過ぎ、もう夏休みになっていた。
夏休みも部活三昧で、つまらない日々を送っていた。
そんなある日、引退試合を明日に控えた中村先輩に呼び出された。

中村先輩とも仲が悪くなっていて、一言も話さないようになっていた。



『葵と話すの久しぶりだな』



『そう…ですね』



体育館の裏は日陰になっていて涼しい。
俺は先輩の顔が見れなかった。


申し訳ない気持ちでいっぱいだったんだ…



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