向日葵《短編》
消えない想いは、やはり消えてはくれなかった。
この想いは、まだこんなにも輝いている。
ねぇ、唯?
キミはどう思う…?
…次の日、先輩達は最後の試合を迎えた。
結果はどうあれ、先輩達の姿がかっこよくて、俺は大きな声を出して応援をしていた。
中でも、中村先輩は一番輝いていた。
好きな人に想いが届かなくても、輝いていた。
麻由だって同じだ。
俺がふっても、麻由は笑顔を見せてくれて、『ありがとう』と言った。
俺はふとこの時、ある重要なことに気がつく…
その日の帰り、俺は熱く火照った頬を触りながら歩いていた。
丁度、唯の家の前を通ろうとした時、誰かが俺の名前を呼んだ。
『葵…?』
声が聞こえるところを探す。
聞こえてきた場所は、唯の家に咲いている一輪の向日葵の前からだった。
そこには唯がちょこんと座っていた。