向日葵《短編》
特別じゃないことぐらい分かってる。
でも、それだけで十分だよ。
『俺も唯が大好きだよ』
やっと言えた素直な気持ち。
俺、怖かったんだ。
もし言ったら、唯の隣に居られなくなるんじゃないかって…
唯の笑顔が見られなくなるんじゃないかって…
でももう怖くないよ…
俺はお前が好きだからさ。
俺が気づいた重要なこととは、好きな人の幸せ。
もし、好きな人に想いが届かなくても、俺は幸せだと思う。
確かに一緒になりたいけど、でもね?
好きな人の幸せを願うことも、自分にとって、すごい幸せなことなんじゃないかな?
唯がたとえ俺のものにならなくても、俺はそれでいいと思うんだ。
唯が幸せなら俺は幸せだからさ─…
人の幸せを願えるような立派な人間になったなら、その人はもう幸せなんだ。
きっと、もう幸せなんだ…
な、唯─…?