向日葵《短編》
───…俺は昔のことを思い出していたみたいだ。
今日は待ちに待った休日のせいか、道には沢山の人たちや、沢山の笑い声で溢れている。
太陽を見上げると、いつもより輝きを増して光っていた。
『葵ー!』
するとどこからか声が聞こえた。
俺はふと下を見る。
そこには手を大きく振った唯がいた。
唯の隣にはあいつもいる。
『おはよ、唯』
『葵!向日葵咲いたよ!!今年も綺麗に!』
唯は相変わらず可愛い笑顔を見せてくれる。
なぁ、唯?
お前は今、幸せか?
『唯、幸せになれよ!』
俺は笑顔で唯にこう言った。
『え…?』
唯は驚いた顔を見せる。あいつも俺の方を見た。
『遥斗!唯を泣かしたらお前をぜってぇ許さねぇからな!幸せにしろよ!』
『任せろ!ぜってぇ幸せにしてやるからさ!!』
約束だからな、幸せにしてくれよ。
唯は俺の大事な大事な、幼なじみだからさ…