向日葵《短編》
それから俺と唯はいつも一緒にいた。
学校の登下校や、休日。
常に隣には唯がいた。
いや、違うな。
俺が唯の隣にいたかったから隣にいたんだ。
でも、唯は俺の気持ちにはちっとも気づいてくれなかった。
俺は唯への気持ちを自分の胸にそっとしまい、成長してゆく──…
──……時は過ぎ、中学2年生になった。
中学生になると物心がつき、異性を意識する、と聞いたことがある。
だが、そんな言葉は嘘だと思った。
いつも隣にいる唯は、俺を異性だと意識していないだろう。
ただの…幼なじみ…
きっとそれだけしか思っていなかった─…
俺は毎日、毎日唯を想って、毎日、毎日唯にドキドキして…
自分の気持ちが伝えられなくて…
俺って小心者?
バカじゃねぇの。
くだらねぇ、くだらねぇよ。