秘密の花園
シミュレーション1
男は得てしてロマンチスト
「君がイサムを好きだったなんて知らなかったよ」
彼がひどく軽蔑したような眼差しで私を見つめる。
冷たいセリフを吐かれているにも関わらず高鳴るこの胸が彼の存在の大きさを思い知らせる。
「違うのっ!!誤解よ!!イサム様とは一度デートしただけで、本当はあなたが一番なのよ!!」
あなたと別れるなんて嫌っ!!
私は脇目も振らずに必死にすがりついた。
それでも彼の決意は変わらない。
「いいんだ。これ以上一緒にいたら僕がおかしくなってしまう」
ああ…。なんてバカなことをしてしまったのかしら。
捨てられたら子犬のような顔をしている彼に対する申し訳なさで胸が一杯になる。
タイムマシンがあったらイサムとデートした昨日の自分を確実に殴りに行っている。
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