秘密の花園
「やっぱりこの人?」
「私だってこんなに有名な奴だったなんて知らなかったよ」
一気に色々な思いが頭の中を駆け巡る。
あいつがカリスマ?なに?世間の人はバカなの?
そもそも巷で話題って言っても私は全然知らなかったんですけど!?
知らなかったとはいえ、そんな奴に可愛くしろなんて大口を叩いたのか…。
そんな自分が恐ろしい。
まみちぃはう~んと唸りながら、両腕をぺったんこの胸の前で組んで何か考え込んだ末に口を開いた。
「ねえ、あんた騙されてないよね?」
「はあ?」
まみちぃがずいっと顔を寄せてくる。香水の匂いのせいか、目がチクチクと痛い。
「おかしいと思わない?こんなに知名度のある人ならだっさいあんたにカットモデルなんて頼む必要なんてないじゃない。それこそ見栄えのする私のような可愛い女がその辺にいるわけでしょ?」
喧嘩売ってんのか、おい。
でも心優しい私は、まみちぃが真剣に心配してくれていることは伝わっていたのであえて突っ込まないことにした。