秘密の花園
「まっさか~!!騙されてるなんてまみちぃの考えすぎじゃない?」
まあ、私があいつに逆らえないのは確かだけどさ。
だけど水瀬さんのことだって協力してくれるみたいだし。
大体、私なんか騙して何の得があるっていうんだ。
「そうだといいけど」
まみちぃが無言で雑誌をカバンにしまう。
どうやらサタンという男は私の予想より大物で。
一癖も二癖もあるような厄介な奴で。
そんな奴が私に目をつけたのは何か明確な理由がある、らしい。
「とにかく、気をつけて。撮影って明日なんでしょ?」
「う…うん」
まみちぃはそう忠告すると夕暮れの街の中に消えていった。
騙されてる…か…。
まみちぃの言葉がこだまする。
この時感じた胸のもやもやは消えないまま。
私は次の日の朝を迎えた。