秘密の花園
「ここだよ」
唯香御用達の美容院は外観から既に異様なオーラを放っていた。
「唯香ちゃ~ん…。お姉ちゃん帰りたいなぁ…」
甘い声でおねだりしても唯香は許してくれなかった。
ぐいぐいと背中を押され店内に足を踏み入れる。
感じていた違和感がさらに強くなる。
例えて言うなれば、“おめえみたいなダサい女が入れる所じゃねーんだよ”みたいな雰囲気がそこはかとなくしていた。
世間じゃ白い目で見られるオタク女の被害妄想であろう。
「唯香はいっつもこんなとこで髪の毛切ってんの?」
「そうだよ」
あんたまだ高校生だろうが。
お前もそっちの住人か。このオシャレ星人め。
地球はこのままオシャレ星人に支配されてしまうのだろうか。
いや!!
まだ我らオタク防衛軍がいる限りお前達の好きにはさせん!!
同士よ!!集まれーぃ!!