秘密の花園
妄想特急幸せ行き
私の姿を見るなり、魔王は口の端をにっと上げて薄く笑った。
「馬子にも衣装だな」
うるさいわ!!なんでこいつはひと言多いんだよ。
私はふんっと鼻を鳴らしてやつの前にある椅子に座った。
ほら、やるならやれよ。
キノコにでもなんでもなってやるからよ!!
サタンは私の首にタオルと、美容院によくあるでっかい雨合羽みたいなやつをつけながら言った。
「髪染めたことないんだよな?」
「ない」
「パーマの類は?」
「ない」
「肌荒れしやすいとかあるか?」
「ない」
「そうか」
っていうか、今更それ聞くか?普通事前に聞いておくもんじゃないの?
私に普通の基準なんてわかんないけどさー。
そんなことより…。