秘密の花園
「何してんの?早く座りなよ」
「すいません」
私が妄想している間に唯香はとっくに受付を済ませ、店のソファに座っていた。
「あんた慣れてるね」
「近所の床屋で散髪するようなお姉ちゃんよりはね」
どうやらオシャレ星では床屋は迫害されている模様。
「床屋でもいいじゃん。おっちゃんは優しいし、安いのにー」
ぶーぶーと口をすぼめて床屋の擁護をしていたら。
「黙れ」
唯香が睨み殺さんばかりに目を剥いたので大人しく隣に座った。
ああ、それにしても落ち着かない。
早く家に帰って花園の空気で満たされたい。
こういう時、自分が根っからの花園の住人だということを自覚する。
そう思っていたら私の頭に名案が浮かんだ。