秘密の花園



目をハートにして、水瀬さんにメロメロになっていると、耳障りな甲高い声が私の耳に入った。


「水瀬さぁ~ん!!」


「うおっ!!」


思いっきり突き飛ばされ、万歳しながら床に思い切り顔面を強打する。


「いっ…!!」


悶絶しながら思う。


ああ、さして高くもない鼻がまた低くなった…。


痛いよ…。おかあさーん!!


うっと涙が零れ落ちそうになった時、信じられない光景が目に入ってきた。


「嵐子ぉ、この髪型ちょぅ気に入りましたぁ」


「そう?ありがとう」


何の変哲もない会話なのに私の心の奥にメラメラと火が灯る。


愛くるしい…というかここまで露骨だともはや暑苦しい。っていうか鬱陶しい!!


なんとあの性悪女の嵐子があたしの敬愛してやまない、超ウルトラスーパー素敵な水瀬さんの腕に抱きついているではないか。


ぶるぶると寒気が走る。


なに!?この女!!


マンガで見るような「わたし可愛いでしょ?か弱い女の子なのん。うふふ」アピールする女がこの世にいるのか…。


薄ら寒いわ!!




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