秘密の花園




今の私は自己嫌悪の塊であり、幸せそうな世間の人に対する憎しみに支配されている。


自分を卑下していないと冷静さを保てない。


ああもう。なんかダメだ…。


ホントは私だって水瀬さんに自分を好きになってもらいたかった。


誰だって好きで失恋なんかしない。


乙女ゲー好きのオタク女だって現実の男と幸せになったっていいじゃない。


「うっ…。ひっく…」


私はスタスタと歩きながらとうとう嗚咽を洩らしてしまった。


本当はまみちぃの言葉の半分も理解できていなかったのだ。


“ゲームより現実世界の方が痛いことや辛いことがいっぱいあるんだからね!!”


そう言った彼女はいつそのことを学んだのだろう。


もしタイムリープ出来るのなら昔の私に教えてあげるのに。


そうしたらこの胸の痛みも少しは軽くなるだろう。


滝のように流れる涙も霧雨くらいになるかしら。


水瀬さん。
水瀬さん。
水瀬さん。


ホントに好きだったんだよ…。



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