秘密の花園
頼みの綱
「まみちぃお願い!!助けて!!」
私はまみちぃの部屋に飛び込むなり、床に手を着いて勢いよく土下座した。
太陽がサンサンと降り注ぐ真昼間だというのに、まみちぃはふあ~っと大きな欠伸をついてから言った。
「いやよ。眠い」
寝起きのまみちぃは私なんぞに目もくれず、もそもそとブランケットの中にもぐりこんでいった。
懸命のお願いも眠いのひと言でピシャリとはねつける。
さすが、真南様。オシャレ星の女王様。
ちょっと心が折れかけたけれども、こんなことで諦めてたまるものですか。
他にこんなこと頼める人なんかいない。
唯一の頼みの綱なんだから!!
「お~ね~が~い~っ!!」
身体を揺すってはみたものの、まみちぃは無視を決め込んで、ブランケットから出てこない。
私はまみちぃを起こすために、最後の手段を使うことにした。
秘儀、嫌がらせ。
シュピーンと効果音つきで、ポーズを決める。
私は耳元で般若心経を唱えてみたり、足の裏をくすぐってみたり、膝に爪を立ててみたり…。
「あーーーッ!!うざいっ!!」
たまらず飛び起きたまみちぃが、こんだけ安眠の妨害をしておきながら、渋々話を聞いてくれたのは、長年の付き合いの賜物かもしれない。